せっかくなので、私なりの話など・・・・
http://www.saclam.com/todays/todays_saclam/2010/03/post-1009.html
まずはこちらの情報から行かないと順番がグチャグチャになりそうですが・・・・・。
何はともあれ、初期アライメント・セットアップを頼まれたというわけですが、問題は、ここのUさんは当然、技術者な訳です。私が小僧だった頃に、すでに部下を数名従えて、いろんなプロジェクトをしてきておったのを何故か知っているわけですが・・・・(汗)
で、そう言った状況から頼まれまして、こりゃ、ちょいと難しい話ですな・・・と、思ったか思わないか???何にしてもやるしかございません(笑)ですが、基本は取り付いているものを使って、アライメントだけで違いを出しましょうって言うのがコンセプトです。ある意味、妥協案ということになるのでしょうか?
さて、手順から行きましょう。まずは、現在の車両がどういった状況かを確認します。正直なところ、うちはサーキット走行車両のデータが多いです。なので、サーキット前提で話します。でないともっと難しい話になります。しかもザックリ・・・真相はもっともっと深いです。
基本は路面からの入力は第一にタイヤがあります。タイヤ次第でまったく車は変わりますよね。しかも近年のタイヤの進歩は目を見張る物があります。一ついえるのは、タイヤに斜めのベクトル入力は考えてはいけません。縦か横か???で考えましょう。考え方として不可能なのです。
さてさて、その後もざっくり話しますと、その後はダンパー&スプリングとなるわけです。そこでバネレートはどう決めますか????ダンパーメーカーのお薦めが良いでしょう(本当はもっと深いです・・・・)ですが、考え方の一つとしては最終ロール角を決める物がスプリングです。進入で車のフロント・バンプ角度を担う物だと考えて良いと思います。その後、加速ではリヤのバンプ角度です。そして、ダンパーは何してんのさ????って話ですが、そこに到達するまでのスピードをコントロールしています。
ですが、私達が通常使うダンパーは調整式が多いですね。これ、リバウンド側を基本的に調整しています。ダンパーシャフトのテッペンについてるあれですね!!解りますか???伸び側を調整しているのです。細かく言うとバンプ側も引っ張られて変化しています。そこでレース用とかでは2ウェイだったり、超お高い3ウェイだったりと言うことになって、始めて別々に調整が可能になるわけですね。しかも3ウェイなんてハイスピードとか言われちゃうと、もっと難しくなります。
さて、本題にやっと入ります。で、今回はアイテムは今あるものでやるわけですが・・・・・。ねぇ~、普通に考えるといきなり問題ですね。ダンパーは取り付いているもので、バネも同じです。
では、何か勝算でもあるのでしょうか????はい、ございません。
確実にそれぞれのパーツが本領を発揮できるように組むだけです。数値として解るように、静止状態で一つ一つ確認をしながら組むだけです。ですが、ここが大事なんですね。いきなり100パーセントは無理です。が、その状態を数値化して何が悪さをしているのかと言う落とし所を後々決定してやるわけです。ただ単純に、トライアンドエラーなんですね。そして良かろう悪かろうと言うことに、何かしら意味を持たせる作業なのです。
ですから、デフォルト状態を再現性のある形で造ることが大事です。うちでは何度も登場しますが、レーザーレベライザーを使って、ビタビタの水平を簡易的に造ります。
これ、結構いいものです。希望があればサーキット現場でも同じ状態を作れるのですね。
それこそ、水平なんて何処のサーキットも全然出ていません。
およそきれいな地面であっても、結構メチャクチャですよ・・・実は・・・。
仙台方面のピットで言ったら、菅生なんかより、ハイランドの方が意外と水平出てるんですよ。ピットの場所にも寄りますけどね(笑)
すごいんですね。S2000のほぼ純正状態って・・・。
前後バランスはすこぶるよろしいです。
町乗り車両でコーナーウェイトをある程度あわせるのは、車両によって全然違いますけど、車高をグチャグチャにしないと出ない車両って結構あります。
フロントエンジンだと、基本的には、前が半端無く重いです。うちで言うところのシビックなんて、前はすこぶる重くて、リヤは軽いっす。そんなの当たり前ですよね。私が絡む、レース車両のNSXにしたって、リヤが半端じゃなく重いです。
ですので、考えるに左右差をある程度そろえます。
車高を極端に変えないといけないぐらい違うのならば、ウェイトは優先しません。車高を優先します。私の場合ですけどね。他の人は知りません?!
で、左右差こんなもんでした。どう調整するかをサラッと言うと、ウェイトの重いところは車高を下げます。ですが、このぐらいは私の場合良しとします。フォーミュラだと許しませんよ・・・ちなみに・・・。
運転手乗っちゃうとフロントで言うと左右ひっくり返りますよね。ですのでここまでくると調整するかしないかが難しいのです。
と言うくらいの数値に収まっちゃいました(笑)
で、数値化する上で何が大事って結局はモノコックボディーに絡むブッシュカーって事なんですね。
敵はゴムです。はい。
それと、そこに絡む悪さをするであろうバネのプリロードです。
ゴムブッシュもプリロードを加える要素になりえます。ですから、コーナーウェトも突っ張るんです。
今回、一番気を使ったのは、来た時に解ったプリロードがパンパンだったのをホドク作業と、ブッシュの1G締め付けがメインです。
ヘルパースプリングが入っていると、これまた考え方が違います。
もっと違うのはテンダースプリングです。いわゆるプログレでしょうね。純正状態では、プリロードをかけていますね。純正は直巻きスプリングは基本使いません。プログレです。バネレートに変化をわざととつけています。直巻きを使用する時にテンダーを用いているのは町乗りを意識したに過ぎないと思います。両立させるのが難しいのですね。ですが、ここにはリバウンドストロークが大事になってきます。要するに伸び側です。バンプストロークはすぐわかりますが、伸び側は解りづらいですね。イメージは内輪が引っかからないのです。言葉悪いですが、『犬のションベン』体勢っすね・・・・。
これ、最初に話したタイヤの話に繋がるんですね。進入でブレーキ無理しすぎると縦方向にグリップを取られて、破綻するのです。そして、横グリップに力を発揮出来ないのですね。タイヤグリップが破綻するかしないかのギリギリで縦から横にハッキリ切り替えてあげるのですよ。それが、コーナーで言うボトムスピードになるのです。ほら、そしたら、バネレートが見えてくるじゃないですか!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、話の落とし所が解らなくなってきました・・・・(笑)
結論????としては、すべてのアイテムが意味を持って機能して、車が曲がるのです。ですから、本当の挙動を知る上で、安全な場所でいろいろなことを体感する。ちょっと、Uさんに同調して締めようかと思ったら、かなり、曖昧な表現で締めようとしてますけど・・・・。
いろんなパーツがいろんな風に絡んで車は走っています。間違った組み方で、間違ったパーツの判断をしないでください。足回りもただ組めば良いだけではないのです。意味を持って組み込む。おおよそ、トーアウトはこうだ????とか、ある程度のイメージはありますが、そんな簡単なことだけではないです。ブッシュもゴムですから・・・・結構やれていたりします。スポット溶接も意外に簡単に剥がれていたりします。結論=落とし所は大事ですが、一概には決め付けられないのが難しいのですね。
リヤなんかS2000の場合、キャンバー決めて、トーいじるとキャンバーも一緒に変化しちゃいます。
両方を見ながら決定していきますが、正解は?????
解りませんね・・・・・・。
そこで、かさ上げ台が生きてきましたが、ちょっと前は結構大変ですよ。
正直、目をつぶって・・・・・みたいなもんです。でも、いい評価をもらった事もあります。車の個体差もありますし、感じる個人差もありますから。正解????そんな物は一生無いのでしょうね。
最後に、トータルアライメント????と言う意味では、サイドスリップって言う物があります。
んなもん、車検の話では????と言われそうですが、普通に直進していてドラッグを生みながら走っていては、まっすぐでも抵抗受けながら走っているような物です。
すべてはタイヤ表面が物語るのです。
色々な要素を組み合わせて、答えを出していこうと努力することが前に進むのでしょうね・・・・・・。
どんなことでも一発で答えが出たら世話ないですね。
ですが、どうやってそこにたどり着いたのか????ここを決めることで理解は深められるのではないでしょうか????
ですから、初期の組み込みが大事になりますね。
同じ条件で同じように・・・・違いが出るように、ネジ一本締めるにも意味を持たせて組み込む!!これが大事です。懸案事項は減らす事!!不安定要素を減らすのです。そこに簡単明瞭な答えが何かあるはずです。そして、そこに始めて味付けをしていくのですね。そんなに簡単に答えは出ないっす。
ダンパー一つとっても、私のハイエースにこんな物を積んじゃってますから、複雑怪奇もこの上ないです。ちなみに、ダンパーガス圧を変更しました。ちなみにこれは、黄色い車両ではやっていません。違う車両で施しました。
これもデータがあって始めて出来るものです。闇雲には出来ません。どういった方向にしたいか????その中で持ち出した一つの提案に過ぎないのですね。
で、この長ぁ~い話の落とし所は何処へ持って逝きましょうかね?????
足回りのセットアップより難しいところになってきた気がする今日この頃でございます。最後に、基本に忠実に・・・・そしてなるべく簡素に考える・・・・。そして一つ一つクリアしていく・・・・・これに尽きますね・・・・・。
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